

また、歯というのは未完成のまま生え、お口の中で時間をかけてゆっくり成長します。そのため、乳歯・永久歯共に生えたばかりの歯はとても柔らかく非常に虫歯になりやすい状態と言えます。虫歯にならないようにお子さんの歯を大人がしっかりとケアし、正しい歯磨きを教えてあげることが大切です。
健康な歯を育成するためには、親の協力が第一です。生後半年~2歳半の間は虫歯菌であるミュータンス菌が大人の口移しなどで乳児へと感染していきます。その際、親の口腔内にミュータンス菌が大量にいる場合、あるいは小児が蔗糖をたくさん摂取している場合に感染がおこりやすいと言われています。一旦感染してしまうと「虫歯にかかりやすい体質」になってしまい、一生虫歯菌と付き合わなくてはなりません。特に出産前の方は、これから生まれてくる子どものために自分の歯に関心を持ち、常にお口の中を清潔に保つことが大切です。
おやつには砂糖が少なく、口の中にとどまる時間が少ないものがおすすめです。例えば、果物や野菜を使ったデザート、ジュースよりお茶や牛乳がよいでしょう。少なくとも、永久歯が生え揃い免疫機能が完成する12歳まではお菓子をはじめとする砂糖の量をコントロールする必要があります。
皆さんが普段食べているご飯やパンなどの炭水化物は唾液で分解されると虫歯の好物である糖になります。虫歯は糖を材料に酸をつくります。お口の中の酸性が強くなると、歯からカルシウムなどのミネラルが抜けていきます。このことを「脱灰(だっかい)」といい、ここから虫歯菌が進入していくのです。
唾液にはステタリンと呼ばれる成分が、ハイドロキシアパタイトという無機質とくっつき、脱灰した部分の歯のエナメル質修復してくれます。これを「再石灰化」を呼びます。
「だらだら食いがよくない」といわれるのは、つねに口の中が酸性に傾くことで、歯の表面を修復する時間がなくなるからです。特に寝ているときは唾液がほとんど出ないので、寝る前のおやつは虫歯の危険度がとても高いのです。ですから、健康的な歯を維持するには日頃の規則正しい食生活も関わってきます。ご飯は決まった時間に摂り、規則正しい食生活を送りましょう。
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